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ポルトガル

【旅レポート】ポルトガル~アレンテージョ編~Workaway体験

絶景ポイント

旅好きなみなさん、こんにちは!

何回かに渡ってお届けしているポルトガル旅レポートですが、今回はAlentejo(アレンテージョ)地方でのユニークな滞在をご紹介します。

アレンテージョはポルトガルの下半分をほぼカバーしていて一番大きな面積を抱える地域です。

そのため都市によって異なる顔を持っていて、ヨーロッパのアフリカと言われるようにアフリカのサバンナのような広大な原野が広がる地域もあります。

リスボンやポルト、コインブラと比べると「田舎」感がたっぷりで観光都市とは違った素朴さが魅力で、ポルトガルの昔ながらの文化(13世紀のお城など)や生活を覗いたり体験することができます。

少し違った旅をしたい人、そこに暮らすように旅をしたい人にはとてもおすすめの旅先です。

今回は私のWorkaway(ワーカウェイ)というボランティア型滞在で約3週間滞在していた体験をレポートしたいと思います。

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ポルトガル旅の他の記事はこちら:旅の目次

  1. 初心者の一人旅OK!安全なポルトガル5都市まとめ編
  2. 見どころいっぱいの首都Lisbon
  3. ヨーロッパのアフリカ・Alentejo(Workawayその1)
  4. 丘からの眺める街が美しい古都・Coimbra
  5. ポルトガル本土一の山も近いErvedal da Beira(Workawayその2)
  6. おしゃれなお店がたくさんのPorto
  7. 番外編~絶対はずせないポルトガル土産
  8. 番外編~ロスバゲに見舞われたら~

アレンテージョ地方の魅力

アレンテージョ(Alentejo)とは、ポルトガル語で「além do Tejo」が由来で「テージョ川の下(彼方)」という意味です。

テージョ川より南にあるアレンテージョ地方は広大な土地を利用したコルクやオリーブの栽培が盛んです。

アレンテージョ地方で一番大きい街がエヴォラ(Evora)で、14世紀につくられイベリア半島一長いと言われている水道橋があり、目の前にすると圧巻です。

ローマ時代から重要な役割を果たしていたエヴォラの旧市街には古い建物がたくさん残っており世界遺産に登録されています。

エヴォラから更に東にスペインとの国境の方へ行くと大理石の産地で有名なヴィラヴィソーサ(Vila Vicosa)や、スペインまで見渡すことのできる丘が町の中心になっているモンサラーシュ(Monsaraz)など小規模ながら歴史の深い町がポツポツとあります。

そしてその町と町の間は、ひたすらコルクやオリーブ、グレープ畑、赤茶色の広大な砂漠のような土地が続いた独特な風景が広がっています。

アレンテージョはリスボンやポルト、コインブラのような大都市ではないので、ゆったりと生活をしている生粋のポルトガルの人々と触れ合うことができる一方、英語が通じづらく「トータルランゲージ」(私はあらゆるツールを使うコミュニケーションをこう呼んでいます)が試されるという点も、アレンテージョを訪れる面白さの一つだと思います。

言葉が通じなくても大丈夫なのです。

英語で一生懸命伝えようとしたり尋ねようとする私に、みんな一生懸命に目を見てポルトガル語で何度も何度も説明してくれるのです。笑

その姿勢は優しさに溢れていて、小さなことなど、もうどうでもよくなってきます。人間の本質を問われるような生活をしている人たちと触れ合うことは、不便を不便だと思わない、心の余裕を持つ大切さに気づかされます

物々交換で生活が成り立っていること、困っている人には手を差し伸べるという生活スタイルを続けているアレンテージョの人々は温かくユーモアに溢れています。

町中の人がみな知り合いなので犯罪も起こりません。

悪いことをするとすぐに分かってしまうから。笑 決して裕福ではないのですが、悪いことをする理由など見つからない生活をしているように見えます。

日本の温かいおじいちゃんやおばあちゃんが多い田舎町より更に「モノ」がない生活をしてみたい方には特におすすめのポルトガルの都市です。

アレンテージョへのアクセス

リスボンやポルトからアレンテージョ地方へは列車がなく、バスか車でのアクセスになります。

運転ができるのであれば、ぜひレンタカーを借りることをおすすめします。レンタカーがあれば、時間を気にせず点在する小さな町まで行くことが可能です。

実際にヨーロッパやアメリカからの観光客はレンタカーで回っている人が多く、その行動範囲はとても羨ましい限りでした。

私はバスを駆使して行動しましたが、本数が少ないため効率的に動きずらい面がありました。それでもバスは比較的安価で安心な上に、Wifi完備で環境は良好です。

チケット予約もアプリ(英語可)でカード決済が可能なためとても便利です。

ちなみにポルトガルはリスボンでも街中の支払いは現金が主流です。カード支払いができないお店もあるため注意が必要です。

基本的にユーロ現金を持って行くことをおすすめします。

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リスボン⇒エヴォラ(二時間)⇒ルドンド(二時間半)⇒ヴィラヴィソーサ(三時間)
※所要時間はリスボンから

バスのチケット購入方法や乗り方、詳細は、こちらの記事を参照ください。

ポルトガル
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エヴォラ、ヴィラ・ヴィソーサ、モンサラーシュのおすすめスポット

エヴォラ

エヴォラ観光には一泊がちょうどいいです。特にバス移動の場合は、リスボンから日帰りだとかなり駆け足になります。城壁に囲まれた旧市街は半日ほどで歩き回れますが、さすが世界遺産となっているだけあって見どころがたくさんあるため一泊二日が断然おすすめです。バスターミナルから旧市街へは徒歩10分くらいで分かりやすいです。ガイドブックに載っている教会や中のアズレージョもとっても素敵ですが、ここではあえてそれ以外のおすすめスポットをご紹介します。

  • 水道橋
水道橋

街中を突き抜けるように続く水道橋は迫力があり歴史を感じることができます。水道橋の一部は今でも生活用水の通り道として使われています。

  • 人骨堂
人骨堂

言わずと知れたエヴォラ観光の一番人気スポットが人骨堂です。

サン・フランシスコ教会に併設されており、本物の人骨が無数に敷き詰められた空間です。

私は怖いというよりこの大量の人骨とそのディスプレイの緻密さにただただ感心してしまいました。

この人骨堂は、当時修道士たちが瞑想をするための神聖な場所で、市民の中には自分の死後はここに骨を渡してほしいという人もいたといいます。

信仰深いポルトガル人の神髄を垣間見れるスポットです。

  • カフェ
おすすめのカフェ

旧市街のちょど真ん中あたりにあるジラルド広場にある「Cafe Arcada」ですが、チーズタルトが絶品です。

べっとりでもサクサクでもなく、ちょうどよくしっとりしていて甘すぎず美味です。もちろんエッグタルトもあってこちらもとっても美味しいです ^^

このカフェは広いためいつ行ってもすぐに席に着くことができます。

  • アイス屋さん
ジェラート屋さん

個人的に大ヒットだったのがジェラート屋さん「Gelataria Zoka」です。チョコレート味とポートワイン味が最高に美味なのです。特に夏にエヴォラに行ったら絶対に食べてみてください。

  • カテドラルの頂上
絶景ポイント

ポルトガルはどこへ行ってもオレンジ色の屋根の街並みがとても綺麗ですが、エヴォラでも旧市街の象徴であるカテドラル(大聖堂)の塔の頂上からが一番美しい景色を楽しむことができます

カテドラルでは、塔に上れるセット入場料(4.5ユーロ)を必ず支払って上ることをおすすめします。

ヴィラ・ヴィソーサ

ヴィラ・ヴィソーサはかつて15世紀に繁栄していた貴族のブラガンサ公爵が移り住んだ場所で、大理石が採れる小さい町です。

公爵が住んでいた宮殿が主要な観光スポットですが、ツアーのみでしかもポルトガル語のみなので私は外観だけ楽しみました。

  • 門が立派なヴィラ・ヴィソーサ城
ヴィラ・ヴィソーサ城

13世紀に当時ポルトガルの王様だったディニスが建てたお城です。ディニス王はポルトガル最古の大学(現在のコインブラ大学の前身)を創設した王様ですが、当時戦っていたスペインを見張ることのできるこの地にお城を建てたと言われています。

  • こじんまりした教会
神聖な教会

お城のすぐ隣に併設された教会ですが、現在でも地元の人の信仰の場として大切にされています。私はこの教会に入った時にこれまで観光で巡った教会では感じることのなかった「神聖さ」を強く感じ、鳥肌が立ちました

  • 人が集まる地元のカフェの素朴な「トシュタミシュタ」
トシュタミシュタ

リスボンからのバスが到着するのがヴィラ・ヴィソーサの「Mestre」というカフェなのですが、このカフェがとてもキャラクターの濃い地元住民のたまり場なのです。

昼間からSagres(ポルトガルのビール)を片手にお喋りするおじさまたちであふれかえっています。

ここの「トシュタミシュタ」というホットサンドがとっても素朴で美味しいです。

ハムとチーズが入った普通のホットサンドなのですが、焼きたてが出てきてその価格は1.4ユーロと安いのです。

私はヴィラ・ヴィソーサでバスを乗り継ぐたびに、ここのトシュタミシュタを必ず食べていました。

そして地元のおじさまに絡まれてボディランゲージで会話を楽しみました。

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モンサラーシュ

スペインを眺める

少し離れますが、モンサラーシュはとっても可愛い街で、個人的におすすめのアレンテージョ地方のスポットです。

ポルトガルで一番大きい湖があり、すぐ向こう側はスペインです。

石畳の街並み
可愛い雑貨屋さん

見どころは高台になっている中心部で、ゲートをくぐると12世紀に建てられた古い教会や小さなお店が連なっていますが、1-2時間で回れるほどこじんまりしています。

白い壁の建物の間に通っている小道はとても可愛らしく、異国情緒に溢れています。

そしてローマ人が建てたという闘牛場が村の奥にあります。

現在では使われていませんが、中に入ることができ、その高台から見える景色は絶景です!

闘牛場からの眺め

小さい町 Terena

人口800人のアレンテージョの町Terena(テレナ)。

坂が多いのですが、マウンテンバイクがあれば一周できてしまうこじんまりとした町です。

湖があり、チーズ工房があり、13世紀に建てられたお城の城壁が残っていて、そこからの眺めが最高です。

本当は誰にも教えたくないけれど、晴れた日の真夜中にこの城壁の中に入ると、壁が町の明かりを遮断して、一面の星空を独り占めできるのです!!

それはそれはスイスの空気の綺麗な山で見た星空に匹敵する絶景です!!!

お城
テレナの教会
テレナの街並み

私が3週間滞在したのは、そんなテレナで農場兼Bed&Breakfastを経営していたCesarのところです。

今は一時的に休業しているのですが、近くにはCesarの友人で私も仲良くしてもらったAltinoの経営するB&Bがあり、ここもワーカウェイを募集しています。

興味がある方はワーカウェイサイトを覗いてみてください。

Workaway(ワーカウェイ)体験

ワーカウェイとは、ボランティア感覚で様々な労働をする代わりに宿泊場所と食事を無料で提供してもらうという金銭の発生しないギブアンドテイク精神で生まれたボランティア・交流サイトです。

世界中にホストと呼ばれるボランティアを欲している人たちが登録されていて、一般の旅行者、長期滞在を希望する人や住むように暮らしたい人達がワーカウェイのサイト上で連絡を取り合い、条件などを確認した上で一定期間(短くて1日、長いと数年)をそこで過ごすことができます。

ワーカウェイの詳細やメリット・デメリット、具体的なホストの探し方は以下の記事を読んでみてください。

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今回は実際どのような生活なのか具体的な体験の様子をお伝えしたいと思います。

一日の流れと仕事内容

私は8-9月だったので真夏は40度を超えることもあるアレンテージョでの労働は命取りでした。笑

適宜休憩をとり、水分補給しながらのゆるい労働でした。

だいたい朝8:30から昼12時までと夕方6時から7時という約5時間/日で週休2日の労働が基本でした。

8:00 起床、朝食
8:30 水やり、餌やり、プール掃除
10:00 草むしりや野菜の収穫(暑くなってくるので30分に5分くらい日陰で休む)
12:30 昼食(2日に一回は私が作る)
14:00 昼寝、休憩
18:00 水やり、餌やり
19:00 業務終了

この他に、チーズ工房にチーズを買いに行ったり、脱走した豚やニワトリを追いかけたり、B&Bのお客さんの簡単な相手をしたり、夜ご飯をオーナー、もう一人のボランティアや仲良くなった地元の友達のために作ったりと、人により仕事内容はフレキシブルでした。

オーナーは離婚していて独り身で料理は特段得意ではないようで、私は料理が好きなのでランチやディナーを作ることが多く、オーナーのお母さんお父さん(60代のおばあちゃんおじいちゃん)にポルトガル料理を教えてもらったりととても充実した日が多かったです。一番きつかったのは炎天下での草むしり。。。

11時前には40度にもなる日が多く、帽子をしても日焼け止めを塗っても汗ですべて流れ真っ黒になります。

私は庭にでかでかとなっているメロンだけを楽しみに毎日炎天下の労働に耐えました。笑

絶品ポルトガルメロン

アレンテージョのメロンは、日本の夕張メロンのように綺麗な形も見た目もしていませんが、その甘さは絶品です。

もちろん無農薬で自然栽培です!

私がいた間は約30個の立派なメロンが収穫でき、ご近所や宿泊客に振舞ったりしましたが、多分私が一番多く食べたことでしょう・・・^^

ワーカウェイの仕事

オーナーは犬一匹、猫5-6匹、ニワトリ10羽(タマゴ用)くらい、七面鳥2羽(クリスマス用)、豚二頭(観賞用)、ガチョウ5羽(観賞用)、馬2頭、ロバ一頭に、離れた場所には羊を数十頭買っていたので、動物の世話も少しありました。

犬が猫の餌を食べ、猫が犬の餌を食べたり、犬が脱走したニワトリを仕留めたり、豚が脱走したのでお仕置き部屋に入れたり、アグレッシブなガチョウの気を引きながら餌を檻の中に運んだりと、今から振り返ると笑いが止まらない毎日でした。

昼過ぎに鶏小屋に行って採る生みたての卵はまだ生温かくて、割るとそれはそれは綺麗なオレンジ色でした。

その卵を使ってポルトガル名物のエッグタルトを焼いたりもしました。

ホームメイド・エッグタルト

休日

週2回の休日は、好きなことをしていいのですが、私はバスを乗り継ぎエヴォラに行ったり、テレナを散策したりしました。

友達のところに遊びに行ったり、料理を習ったりと観光だけではできないような体験をすることがたくさん出来ました。

テレナに唯一あるスーパー(日本でいう田舎の売店)に行っていくつかある棒アイスを選んで食べるのが最高の楽しみで、売店のおばちゃんがニコニコ見守ってくれるのも心地よく大好きな空間でした。

人との関わり

宿泊客はたいていポルトガル国内(リスボンなどの大都市)からの客が多く、英語があまり話せない人もいますが、とにかく人と関わるのが好きな人が多く、ボランティアの私も家族のバーベキューに混ぜてもらったり、特別なワインやソーセージをおすそ分けしてもらったりと楽しい交流をさせてもらいました。
宿泊客との交流

日本人に馴染みのない人ばかりですが、興味を持ってくれている人が多く、折り紙を折ってあげると子どもたちにはとても喜ばれました。

オーナーが不在の時は餌やりを買って出てくれ一緒に作業したりして、話を聞いてみると、リスボンの街中に住んでいるため動物に触れたりこんなに広い自然の中で過ごすことがほとんどないため、そういう時間を求めて家族で夏休みを利用して1週間滞在しているのだとか。

素朴で温かく素敵な家族でした。

また、私の場合、滞在期間中に二人のボランティアと一緒になりました。最初はドイツ人、そしてフランス人の女の子でした。

20代前半で、ドイツの子はコインブラ大学に留学を控えていて学校が始まる一か月前にポルトガル入りして珍しい場所に滞在したかったためここを選んだと言っていました。

彼女は先にボランティア期間を終えコインブラに移動しましたが、私がその後コインブラに遊びに行き再会しました。

もう一人のフランス人の子は、とにかくフットワークの軽いフリーターで、色んなポルトガル中のイベントを渡り歩き興味津々に旅をしている子でした。

ポルトガル旅を決めた直後に出会ってフランスに残してきた彼が恋しくて、Wifiを利用してよく電話をしていました。

人生初めての彼だけど、相当お互いに首ったけで話を聞いているだけでこっちまで幸せになるような二人でした。

そんな彼女とはFacebookで繋がっていて、たまにメッセージのやり取りをしていたら、なんと妊娠してママになると言うのです。

幸せな毎日を送っているようで私も嬉しくなります。

出会うはずのない別の国の人たちに出会えたことも、ワーカウェイの良さだと思います。

ルームメイト

ポルトガルは、隣のスペインと比べられ、その国土も小さい国ですが、リスボンやポルトなどの海側とアレンテージョなどの内陸側で全く別の顔を持っているのがとても魅力的です。

大都市にお腹いっぱいになったら、ぜひ少し足を延ばしアレンテージョ地方を訪れてみてはいかがでしょう。

素朴で温かい人々の温もりを感じることのできる旅になること間違いないです。