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国際結婚

【国際結婚】スウェーデンで永住権を取るには

旅好きなみなさん、こんにちは!

私は2020年に生後6か月の娘を連れてスウェーデン移住をして早4年が経ちました。

2019年夏に配偶者向けの滞在許可(ここではビザとします)を日本から申請して、ちょうど1年後の2020年夏に2年のビザが下りたので、すぐに娘と共に移住となりました。

二度目のビザ更新にて2024年秋にようやく永住権を取得することができたので、その流れとポイントをお話します。

永住権を取得するには

スウェーデンでは数年前にルール変更があり、配偶者ビザは一時ビザを4年間経た上で永住権の申請ができることとなりました。

配偶者ビザは通常2年単位で、永住権は最初のビザ取得から3年後以降に申請可能となっています。ただ厄介なのが、「3年後以降に申請可能」となっているのに、ビザが2年単位のため、実際に永住権申請ができるのは4年目(2回目のビザが切れる1か月前)となっています。この話は、実際に私が試したため後ほどお話しします。

これらは、結婚している場合だけでなく事実婚であるサンボビザも同様で、ビザ申請は日本人の場合は無料でできます。

また現行の基準では、一時ビザの更新だけならば、婚姻継続の確認が取れて住環境が問題なければ仕事の有無はあまり問われないのですが、永住権取得には「自身で生活できる状況にあるか」が重要になってきます。つまり、生活可能かつ安定した収入が必要で、その収入とは、2025年現在のルールでは自身で現在の家賃を払った後に最低6186kr以上残るような月々の収入がある必要があります。そしてできるだけ無期限の雇用であることが求められます。(パートやアルバイトのような収入が少ない、または不安定な形態の雇用だと永住権は下りない可能性が高いです。)

私のケース

Photo by Corinne Kutz on Unsplash

私は以下のような経緯で2024年秋に永住権を取得しました。

  1. 2020年8月に初めての配偶者ビザ取得(ビザは2022年7月まで有効)
  2. 2022年5月に初めての更新申請をして、同年8月に二度目の2年ビザを取得(ビザは2024年7月まで有効)
  3. 2023年9月に、試しに永住権を申請してみるが、11月に申請却下(理由は、当時のビザが2年有効でまだ6か月以上残存期間があったため)
  4. 2024年4月に2度目のビザ更新と永住権申請を同時に行う
  5. 2024年9月に無事ビザ更新かつ永住権の取得
  6. 2024年11月に移民局にて滞在許可カードの申請をして1週間後にカードを郵送にて受領

ちなみに、ビザ保有者が携帯必須である滞在許可カードは、永住権取得者でも3年ごとに自身で更新しなければなりません。

必要な書類

Photo by Corinne Kutz on Unsplash

永住権かつ現行のビザの更新の申請に必要な書類は以下です。

  • 申請書
  • パートナーの同意書(Försäkran om samlevnad)
  • 日本のパスポートのコピー
  • 雇用証明書(Anställningsbevis)
  • 直近3か月の給与証明書(Lönespecifikation)
  • 税務情報シート(Skatteverket発行のSammanstallning)
  • 住居の契約書

流れとしては、まず現行のビザの更新手続きという項目で記入をします。その過程で、「永住権の申請もする」という項目にチェックを入れます。そうすると提出を求められる書類が永住権用のリストになります。

更新と永住権取得の申請が分かれていないため、本当に永住権申請ができているか記入中は心配になりますが、終わった後に申請状況をみるときちんと2つの申請がされていることが分かるので心配はいりません。

知っておくとよいポイント

  • 更新申請は1か月より前でもできる
    移民局によると公式には、現在のビザ有効期限の切れる1か月前から更新申請が可能となっていますが、私は3か月ほど前に申請しても問題なく受理されました。スウェーデンでは、夏休みや年末年始などの時期は、特に国家機関などの役所サービスに大きな遅延が起こるため、更新時期が重なる場合には早めに申請しておくのがよいと思います。
  • 永住権取得には条件がある
    永住権取得の条件は年々厳しくなっているのがスウェーデンの現状です。特に収入の確保はスウェーデン政府が一番重視しているため、移住が決まったら仕事を得ることを最大の目標にして早めに行動することをおすすめします。物価高騰はスウェーデンでも深刻で、万が一スウェーデン人のパートナーを失った場合にも自分で養っていくことが求められます。生活保護の基準も近年厳しくなっている現状もあります。
  • 申請時にはポジティブな印象を与える
    これは、あくまで私の個人的な考えなのですが、申請書の自由記載欄にはできるだけポジティな事実を記入して、審査をする担当者にアピールしましょう。例えば仕事が上手くいっている、家族で幸せな暮らしをしている、など。これらがどれだけ考慮されるかは分かりませんが、現在似たような国家機関で働いている私からすると、審査をする担当者も人間で、幸い日本人は信用度が高くそもそもの印象がよいため、それに輪をかけてこの申請がまともで許可しない理由がないことを念押しするように働きかけることはプラスだと思っています。
  • 許可が下りる時期は様々で予測不能
    永住権申請の場合は、基本的には通常の更新のみの申請より許可が下りるのに時間がかかると思ったほうがいいです。ただ、これは本当に運がかかっていて、人によってはすぐに下りる人、理由も特にないのに時間がかかっている人がいます。移民局で審査をする仕事をしていたという私の同僚曰く、担当者により取り掛かる案件の順番が違ったり、基本的に担当者の裁量で割り当てられた審査が行われるため、何かの拍子に後回しにされたまま忘れられている可能性もあるのだとか。。。
  • 移民局に電話する
    3か月ほどしても進捗がない場合には、移民局に電話をしてみることをおすすめします。自動音声で散々「許可がいつ降りるかの問い合わせには一切答えられません」と流れたり、やっと話せたスタッフも音声同様の回答をしますが、聞けることは何でも問いかけてみるといいと思います。実際に私も永住権申請中、当時のビザが切れた3か月後(申請から6か月後)にダメもとで電話問い合わせをしたら、回答は全く歯切れの悪い自動音声と同様の内容だったのに、その数日後になんと許可の通知がきました。

 

近年ますます厳しい条件となっている永住権取得。永住権の取り消しについても政府では議論されており、一定の基準にて取り消しを行うことのできる状況になっています。

日本人にとってスウェーデン国籍の取得は、日本国籍離脱となってしまうためハードルが高いですが、スウェーデンで生きていくためには最低限永住権を保持していることは様々な面で必要な状態だと、実際住んでいて感じます。特に子どもがいる場合には、何かの事情でスウェーデンから追い出されてしまうというリスクは、永住権により避けることができます。