旅好きなみなさん、こんにちは!
今日はルーマニアの建国記念日です。
今年は11/30の聖アンドレイ祭(聖アンドレイはルーマニア正教会の創始者)、12/1の建国記念日そして土日と、4連休のためクリスマス間近ではありますが家族にはとてもありがたい連休です。
近年はブラックフライデーが11月末から始まり、週末のショッピングモールは人で溢れかえっています。
でも実は購入している人は少ないのもルーマニアあるあるです。
天気が悪かったり、今の時期は寒かったりすると家族での週末のアクティビティはモールになるのです。
近年、ヨーロッパの中でも経済成長率がトップクラスのルーマニアではありますが、暮らしているとやはり購買の実態は控えめに見えます。
ちなみに、ルーマニア人は地味な色の洋服が好きみたいで、特に冬は町中が黒やダークという素朴な色をまとった人々が多いこともあり、共産主義のイメージや貧しさをぐっと身近に感じます。
今日は私もルーマニア建国記念日のパレード見に行ってきたため、その様子をレポートします。
ルーマニア建国記念日とは
ご損じの方も多いと思いますがルーマニアでは、1989年に共産党独裁の社会主義国家体制が終焉を迎え、国名がルーマニア社会主義共和国からルーマニアに変わりました。
社会主義国家時代の1989年まではルーマニア記念日として8月23日が設定され祝われていましたが、社会主義国家体制が終わると同時に新しいルーマニア大統領であったイリエスク・イオンが1990年に12月1日をルーマニア建国記念日として設定しました。
12月1日が選ばれた背景には、第一次世界大戦後の1918年12月1日にトランシルバニア、バサラビアとブコビナという三つの地域がルーマニアとして統一されたという事実があります。
これは、ルーマニア語を話す人々が初めて一つ国(ルーマニア)として成り立ったというだけでなく、国土はそれまでの二倍となり、世界的に見ても存在感のある国になったという、ルーマニアにとって誇り高い歴史的な出来事であったためこの日にちが建国記念日に選ばれたのです。
建国記念パレード
建国記念日にルーマニア国内で一番盛り上がると言われているのが、凱旋門からキセレフ(Kiseleff)通りを通るパレードです。
軍隊や各国の軍事機関などが参加して行う大規模なパレードで、ブカレスト中の市民が見物に詰めかけます。
キセレフ通りのちょうどスウェーデン大使館前辺りにはセキュリティチェックが設けられ、凱旋門の方へ行くには鞄の中身をチェックされ、拳銃や凶器を所持していないかの身体チェックもされます。
さすがに重々しかったためその模様は写真に収められずです。
パレードは11時スタートですが、既に10時半にはキセレフ通りの両側の歩道は人で溢れかえっていました。
ルーマニア人男性は背が高く、子どもを肩車している人も多いため、始まる前から前列でスタンバイしないと行進はなかなか見れません。
そして始まると更に人が集まるため見物は困難です。そんな中でもなんとかポジションを確保して写真を撮ってみました。
11時になるとルーマニアっぽい音楽と太鼓のような地面に響く音が鳴り始めました。
中にはこんなユニークなおめかしをした軍隊も!カモフラージュなのでしょうね。笑
11時スタートと言いながら、結局行進するのは15分くらいからです。
私は寒さと人ごみに耐えられず、11時半には立ち去ることにしたのですが、キセレフ通りからクルチェルルイ通りに繋がっているドチェンツィロル通りには軍隊メンバーを載せてきた車両がたくさん止まっており、パレードを終えた兵隊たちが戻ってきて休んでいました。
そこにルーマニア人の家族連れが詰め寄って、記念撮影を求めるという微笑ましい光景が。
外国籍の軍隊(恐らくスイス)の隊員は帽子を子どもに被せてあげたりしていました。
そして上空には航空部隊のデモンストレーションが。
様々な機体がかなりの高速かつ低空飛行でものすごい音を立てて飛んでいました。
これには子どもだけではなくルーマニア人の大人も大興奮でした。
ワンコまでもルーマニア国旗の青、黄色、赤のスカーフを巻いていて可愛らしかったです。
今日はあいにくの雨の合間の天気で、ちょうど12時くらいからポツポツと雨が降り出しましたが、なんとかパレードの間は天気が持ったのではないでしょうか。
ここ最近、ブカレストは雨がとても多いです。
ルーマニア人からしても今年は雨が多いとのことですが、夜中はたいてい雨が降っていて朝、外に出ると地面が濡れていたり水たまりができていることも少なくないです。
日中の雨も多く、道路事情が悪いブカレストでは水たまりができやすく、車の渋滞に加え、行き場のない雨水が道路中にたまるため歩行者にはとても不便で不快です。
祝日も営業しているお店が多い
ちなみに、聖アンドレイ祭の昨日も、建国記念日の今日もスーパーは通常営業が多く、ブカレストの都心はパン屋やレストランも大抵営業していました。
バスや地下鉄などの公共交通機関も運行しているためこの時期の観光でも寒いこと以外は特に問題ないと思います。
飲食店に関しては中心部の特にビジネス街であるビクトリエイ広場周辺は、土日休みのところが多く、そういうお店は祝日も大抵お休みになりますのでご注意ください。
日々ルーマニアで生活していると、ルーマニア人は謙遜というか自国への誇りが薄いように感じます。
今でも共産主義時代の過去を引きずっている様子もあり、諦め感が強かったり西欧への憧れが強かったりすると見受けられますが、この建国記念日に関しては、自家用車だけでなくタクシー、バスやトラムまでもルーマニアの国旗を掲げて走行するなど、ルーマニア人の強い愛国心を垣間見る一日でした。
この時期にブカレストを訪れる際にはぜひこのルーマニア人の愛国心とパレードを見てみてください。
運が良ければ兵隊と写真撮影もできるかもしれませんよ ^^