旅好きなみなさん、こんにちは!
めっきり寒くなってきたルーマニア・ブカレストは12月に入り二回ほど雪がちらついていて、本格的な冬の到来を感じる今日この頃です。
ルーマニアにはこれと言ったイベントがないと周りのルーマニア人たちは言いますが、とても面白い風習を目の当たりにしました。
「聖ニコラスの日」です。
クリスマス前ですが、ルーマニア人たちはまるでサンタのようにプレゼントを用意するのですが、クリスマスイブのサンタと少し違うのは「プレゼント」とそれを「置く場所」です。
ルーマニアの聖ニコラスの日
聖ニコラスとは、はるか昔に実在したキリスト教の国で拝まれている慈悲深く恵まれない民に食べ物などを分け与えていた聖人と言われています。
聖ニコラスの日はルーマニアだけではなく西欧や東欧で大切にされているキリスト教徒の一つイベントなのですが、その日にちやイベント内容は国により少しずつ異なります。
いわゆる現代の欧米のサンタクロースの原型がこの聖ニコラスと言われていて、クリスマスとは別にプレゼントを用意する日として多くの国では12月24日よりも前に設定されています。
そしてルーマニアでは毎年12月5日の夜中にプレゼントを用意するのです。
ルーマニアの聖ニコラスの日には、子どもや近しい人にお菓子を用意するのが一般的です。
中でもチョコレートが圧倒的に多く、それを夜中に靴の中に入れておくのです。
なぜ靴なのかは謎ですが、靴か靴下に忍ばせておくのが風習で、子どもたちは5日の夜に靴を綺麗に整えたり、プレゼント用の靴下をぶら下げて用意をします。
私も職場でこんなサプライズが ^^ さすがに靴ではないですが、知らないうちに席にお菓子がたくさん置かれていました!
聖ニコラスが行いの良い人にだけプレゼントするということもあり、「キミはいい子かい?」と聞いてからお菓子をくれる同僚もいます。
「ありがとう!」と言うとみんな「これは私からではないよ、聖ニコラスからだからね!」と、とってもお茶目です。
いい大人ですが、誰が置いていったか分からないように隠すように配るのを楽しむルーマニア人の同僚に、私は終日楽しませてもらいました。
ルーマニアはとっても素朴な国です。暮らしていると、モノが少なく娯楽も少なく日本人からすると「楽しめる場所」が圧倒的に少ないため「つまらない」と感じたりストレスを発散する手段がなかなかないのですが、ルーマニアの人々は周りの人をとても大事にしているのがよく分かります。
ある意味モノや場所がない代わりなのか、家族や友人、職場の人との日々の生活の中で一緒にご飯を食べたり、手料理をシェアしたり、踊ったり、ささやかなプレゼントを送りあったりと、とても温かい繋がりがあります。
また、ルーマニアは日本や西欧と比べると、「見せる文化」が薄いと感じます。
つまり人に良く思われたいなどの表面的な付き合いが極めて少なく、また人より楽しい人生を送っていることをアピールしたいというような欲求を持っている人も少ないように思います。
いわゆる「フェイク」な人間関係が少ないように見えます。
なので、仲良くなると人間味のある深くて温かい思いやりを感じることが多々あり、一人海外で暮らす私には心強いです。
そして特に寒いこの時期には周りのユーモアや優しさが身に沁みますね。
さて、来年の聖ニコラスの日には、私も忘れずに職場でお菓子を隠しまわろうと思います ^^