旅好きなみなさん、こんにちは!
少し前になりますが、ブカレストから足を延ばして、お隣のブルガリアへ行ってきました。
ブカレストから車で2時間かからないところにある小さな街・ルセと、世界遺産にも登録されている「イヴァノヴォの岩窟教会群」に日帰りで訪れてみました。
ブルガリアはルーマニアよりも物価が安く、ワインもご飯も美味しいです ^^
車がある方は自力で、でも車がなくても大丈夫です。
今回は私が友人と利用した、ブカレスト市内から利用できるツアーと実際に訪れたコースについてご紹介します ^^
1LEV(ブルガリアレフ)≒66円 ※2018年11月時点
陸路で国境を越える体験
ルーマニアはヨーロッパの内陸国のため、近隣国へ陸路で行くことができます。
ブルガリアもルーマニア同様にEU加盟国のため、簡単に陸路で国境を越えることができます。
陸路と言っても、国境を越えるため、必ずパスポートを携帯してくださいね。
ちなみに、国境越えの際の乗用車一台の料金は14レイ(≒400円)です。
この手数料を支払うゲートと、パスポートチェック(スタンプ)のゲートの二つを通過することになります。曜日や時間帯にもよりますが、早ければ15分程で通過できます。
私はこれまで2往復しましたが、いずれも15分程の待ち時間で通過することができました。
ドライバーによると、長い時は1時間程待つこともあるそうです。
国境越えについては、バスでブルガリアの黒海沿岸リゾート・ヴァルナに行った時のこちらの記事も参照ください。
ブカレスト発!おすすめの日帰りプライベートツアー
レンタカーなどがあれば自由にブルガリア国内を周遊することをおすすめしますが、短期滞在で、効率よくブルガリアに行ってみたい!という場合は、ブカレストでピックアップしてもらえて、国境に一番近いブルガリアのルセと、そこから車で20分ほどの世界遺産「イヴァノヴォの岩窟教会群」まで案内してくれるツアーがおすすめです。
私自身、ツアーを利用するより自分で動き回ることが多いのですが、今回このツアーを利用して、ツアーの良さを実感しました。
特にブルガリアの歴史や宗教背景に詳しくない私や日本から訪れていた友人にとっては、英語が堪能なドライバー兼ガイドさんが色々な話を聞かせてくれて、スーパーまで立ち寄ってくれたことはとてもありがたく、またぜひ別の場所へ連れて行ってもらいたいと思っています。
私が頼んだのがこちらのベルトラから予約ができる現地ツアーです。英語での対応が可能で、ツアーは日本語ガイドの依頼も可能です。
二人以上の場合は1人105ユーロ、一人参加の場合は168ユーロです。
ブルガリアの世界遺産イヴァノヴォと国境の街ルセ 日帰りツアー<終日/昼食付/ガイド/ブカレスト発>
イヴァノヴォの岩窟教会群
特にイヴァノヴォは、車がないとまずたどり着けない観光地です。
英語ガイドのアドリアンさんの知識豊富な説明で本当に大満足のイヴァノヴォでした。
国境を越えて更に進むこと30分くらいで突然青々とした森の中に入ります。
駐車場について上を見上げると、岩窟らしき岩場から突き出たバルコニーが見えます。
既に圧巻です。
見学できる岩窟教会はこの突き出たバルコニーのあるところで、以下写真右の小道を上がると5分くらいで辿り着きますが、実はとんでもない絶景が観られるスポットを見逃してしまうかもしれません。
絶景かつ、坂も急ではなく歩きやすい道は、写真の左側にある小道です。
20mほど進んで右の更に小さい小道(山道)を5~10分上がっていくとその絶景が広がります。
道なりに上がると開かれた頂上にたどり着いて、こんなパノラマが楽しめます。
立っているところを中心にほぼ岩で囲まれていますが、よく見るとそのほとんどに穴が掘られています。
その数およそ300個と言われており、それらのほとんどが修道士や巡業者の寝床として使われていたそうです。
触ると分かりますが、私たちの想像する岩とは異なり、かなり柔らかいため掘ることが可能なのだということです。
人工的に掘った以外にも、自然に削られて形を成した岩もあります。
ここから、右に進んでいくと、先ほどの教会見学の道順となっており、教会まで5分程で辿り着きます。
外観はもちろんですが、フレスコ画が綺麗に残っている内観、そしてこんな岩場によく教会を作ったものだと感心するしかないほど圧巻の岩窟教会です。
その一部は落下などでダメージを受けていますが、何とか昔のまま残そうとしている努力がうかがえます。
帰りに、駐車場近くでハンドメイドのすり鉢を打っていたおじいさんのところで、ニンニクすり鉢を購入しました。
早速、ニンニクではなく、サフランを粉々にしたかったため使ってみましたが、とっても簡単に粉々に!感激しました。
これならゴマもすれるでしょう ^^
このすり鉢は、一つの木から作られていて、すり鉢の中の角を丸く加工しているため、すりやすいと自慢げに語るこのおじいさんを応援したくなりました。
ルーマニアもそうですが、大量生産が当たり前になった現代では、職人が激減しています。こんな繊細な仕事ができる人が、きちんと生活できて職業としてもっと認められるべきだと思います。
ルーマニア人もモノをとても大事にしますが、壊れても大抵のものを自分で直してしまう世代がどんどん高齢化していて、とても残念です。
イヴァノヴォの岩窟教会群(Ivanovo Rock Churches)
開店時間:4月1日~11月30日 毎日9:00-18:00(冬季は閉鎖)
教会の拝観料:4レフ
コスパのよいブルガリアでのランチ
イヴァノヴォの岩窟教会群を出た私たちは、ツアー代金に含まれているランチのレストランへ。通常案内されるはずのレストランが改装休業中らしく、ホテルの庭にあるレストランに行くことになりました。
水は料金内で、ワインやビールを飲みたい場合は追加料金ですが、安くて美味しいのでぜひブルガリアワインをご賞味ください ^^
メニューは、キュウリとディルの入ったヨーグルトの冷製スープ「タラトル」、豚肉と野菜のトマト煮、パン、最後にアイスケーキです。
暑いだったのでタラトルにすっかり魅了され、塩味のあるさっぱりしたヨーグルトスープの味が忘れられません。
そして、私と友人が大絶賛だったのがこのアイスケーキです。ベリーとヨーグルトチーズの二層になっていて、甘さが程よく最高に美味でした。
ドライバー兼ガイドのアドリアンさんも一緒に昼食を摂り、日本の有名人を案内した時の話など、楽しい話をたくさん聞かせてくれました。
Summer Garden(Grand Hotel Riga内のレストラン)
開店時間:毎日 11:00-25:00
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ルセのユニークな地下教会
ルセの見どころの一つなのが、聖トロイツァ大聖堂です。
この教会はルセの街でも最古と言われている古い建物で、17世紀頃建てられたものです。
ユニークなのは、教会が半地下に建てられていることです。
何気なく、「珍しいですね。」と私が言うと、ガイドのアドリアンさんから貴重な情報が出てきました。
この教会が建てられた17世紀のブルガリアは、300年程続いたオスマントルコ支配下の時代です。
正教会が許されなかった中で、市民のよりどころとして、オスマントルコ勢に見つからないように半地下に教会を作って、ひっそりと礼拝を続けたというのです。
確かに、奥に見える教会の象徴とも言える塔の部分は、後から増築されたように新しく見えます。
この半地下の教会の中は、半地下だけに暗い空間ですが、想像以上に広く、立派な装飾やフレスコ画を見ることができます。
聖トロイツァ大聖堂(Church Sveta Troits)
拝観料:無料
生のクルミ、初試食!
聖トロイツァ大聖堂の敷地内の庭で面白いフルーツに出会いました。
それがクルミです。
日本の都会育ちの私は、クルミの木を見たのが初めてだと興奮していると、ガイドのアドリアンさんが「食べてみますか?」と。
私は「いや、生では食べられないでしょう。」と軽くあしらうと、「生が甘くて一番美味しいのですよ。」と言うのです。
騙された気分で、少し硬い外側の緑の皮を剥くと、その下には今度は薄茶色い皮があります。
これをカラカラにしたのが普段私たちに馴染みのある殻付きのクルミです。
その薄茶色の皮は生だと硬くなく、モロっと剥けます。
そしてその中に、白い実があるのです。
その身を取り出し、甘皮を剥いて食べると、それはそれは甘い柔らかいナッツの味がします。
驚きの体験で、とっても美味な生クルミに大感激でした。
夏がクルミの時期のようなので、夏に訪れた際にはぜひ食べてみてください ^^
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お土産はスーパー「BILLA」や「CBA」で!
このツアーはプライベートのため、ある程度の融通が利くのがとても嬉しいポイントです。
ガイドのアドリアンさんに「スーパーに寄りたいです。」というと、ルセ市内観光内で案内してくれました。
ブルガリアは、それなりのワインが安く買えます。少々重いですが、これもツアーの特権で車での送迎のため自分で運ぶ必要はありません ^^
私はワインを5本と、お気に入りのミントレモン飴をどっさり買い込みました。
ブルガリアのおすすめのお土産は、「ブルガリアの女子ウケ土産5選」も読んでみてください。
BILLA(スーパーマーケット)
CBA(スーパーマーケット)
おまけ:ドナウ川にタッチ
ガイドのアドリアンさんがおすすめしてくれたのが、ドナウ川に触れることができるスポットです。
何か国もをまたがって最終地点であるブルガリアとルーマニアの国境を流れるドナウ川ですが、確かに川沿いで水に触れることができるスポットはあまり聞いたことがありません。
のどかな川沿いで日光浴をしている地元市民を横目に、ドナウ川にタッチしてみました!あまり綺麗な水には見えませんが、貴重な体験でした。
おまけ:ひまわり畑
ルーマニアやブルガリアには、商用のひまわり畑がたくさんあります。
夏になると、郊外の至るところに広がる光景で、ブカレストから黒海沿岸のコンスタンツァへと走る鉄道の中からもたくさんのひまわり畑を見ることができます。
ルーマニア人の面白いところは、これらのひまわり畑を観賞用として利用しようとは考えないところです。
日本ではひまわり畑で観光客を誘致している都市はたくさんありますし、観光の目玉に十分なり得ると思っていたので、ガイドのアドリアンさんにここはひとつ、勇気を出してダメ出しになってしまうのを覚悟の上で、ぶっこんで見ました。
「屋台やお土産屋さん、おオシャレなカフェを近くにオープンして、観光客を惹きつけたらいいのでは?」
すると意外な答えが返ってきたのです。
「ひまわりは、土の栄養分を過剰に摂取してしまうため、毎年同じ場所には植えられないんだ。土壌を再生可能な状態で常に保持するには、場所を移す必要があるから決まった場所にカフェなどは作れないよ。」
驚いたのは、このひまわりの生態の事実ではありません。
ツアーガイドの男性が、ひまわりの生態を知った上で、ひまわり畑の存続について、さらさら出てくるように日常的に考えを持っているということです。
失礼な話かもしれませんが、自分がひまわり畑のオーナーでもない、ただの市民である男性からこのような見解が出てくるとは全く想定しておらず、私は「恐れ入りました!」という気持ちになりました。
欲を言えば、土壌を守りつつ観光に活用する方法を見つけることができれば素晴らしいのかもしれません。
でも、ルーマニア人にとっては、観光や金稼ぎよりも大事にしたいことがあるのです。
素朴な日常と自分たちの身の回りの維持を大切にするのが多くのルーマニア人のモットーで、商売はその次でしかないというのが、この会話からも改めて実感させられました。
さて、現地ツアーで行くブルガリア日帰り旅、いかがでしょうか。
現地に精通したガイドさんに案内してもらう旅も悪くないどころか、これからは要所要所で、ガイド付きツアーを利用していきたいと思った旅でした。
ブルガリアの世界遺産イヴァノヴォと国境の街ルセ 日帰りツアー<終日/昼食付/ガイド/ブカレスト発>