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旅のあれこれ

【コラム】ヨーロッパでの処世術?期待はせずに、○○上手になる!

旅好きなみなさん、こんにちは!

ヨーロッパといっても国によって文化や習慣は異なるのですが、色々な国を旅したり、住んでみたりすると、共通して感じる「暗黙のルール」があります。

ザ・日本人な私にはハードルが少し高いと感じることもあるのですが、ヨーロッパで現地人と気持ちよく馴染んで過ごす(生きていく)ために使えるちょっとしたコツがあります。

 

結論から言うと、ヨーロッパでの処世術は、

「頼り上手になる!」です。

 

これは単なる「文化の違い」のため、どちらの文化が正しいか、優れているかなどという話ではなく、あなたがヨーロッパに住むことになったり、滞在する際に、頭のどこかに入れておくと、より気持ちよく過ごせるようになるかもしれない程度に受け取っていただけると幸いです。

日本では神様だけど、ヨーロッパでは同じ人間

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私はこれまで北欧に3年、東欧に2年、その他のヨーロッパ地域に数日から数か月の滞在をしてきましたが、どの国でも頻繁に感じる日本人としての共通の違和感の一つが、「お客様」という概念がヨーロッパにはほとんどないということです。

日本ではよく「お客様は神様」といった表現がされるくらい、サービスを提供する側と受ける側の関係性が明確で、サービスを受ける側(お客様)への対応には細心の注意が払われ、できる限りお客様の要望に応えるように、サービスを提供する側(企業)が工夫や努力を続けていると思います。

一方のヨーロッパでは、お客様も企業もどちらの立場も平等という考えが基本です。

お礼を言うのはお客様?

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ヨーロッパにいると頻繁に「ありがとう」という言葉をあちこちでよく耳にします。

そしてそれは、日本で耳にするような大衆に対する挨拶や感謝というものではなく、一対一の関係での「ありがとう」なのです。

例えば、日本のスーパーでは、店先や店内にいる店員が入店客に「いらっしゃいませ」、購入客に「ありがとうございます」などと声をかけますよね。

ヨーロッパでは、「ありがとう」はどちらかというと店員よりも客の方からの方が多く聞くような気がします。

探し物の場所を教えてもらい「ありがとう」、会計時におつりを受け取り「ありがとう」などという感じで、そもそも会計担当者は椅子に座っているのが当たり前のヨーロッパです。

私は何度か、会計時に商品のバーコードが読み取れないため、新しい商品を取ってくるようレジの店員から言われたこともありますが、日本ではあり得ないだろうなとふと思ってしまいます。

また、どんなにレジに客が行列していても、店員は自分の休憩時間になったら自分のレジをささっと閉めて休憩に行きます。

そうなのです、人類はみな平等で、客であろうが人(店員)の休憩の権利を侵害することは許されないのです。

そしてこれはその土地の文化なので、そこで生まれ育った人にとっては当たり前の光景で、文句を言う人はほとんどいません。

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それどころか客側も、レジに行列ができていても、自分の番がきた時にはレジの店員と会話を楽しみながらマイペースに会計を行う姿をよく目にします。

こんな光景を眺め、日本人の私は「とてもフランクで、せかせかしないゆとりのある社会だな」と感心することもありますが、他方で「もう少し一生懸命働いてもいいのではないかな」と思うこともあったりします。

Photo by Clay Banks on Unsplash

同じくスーパーで品出しをする店員にも最初少し戸惑いました。

商品を選んでいる横から、「ちょっといいですか?」と客を半ば押しのけて、商品の品出しを始めます。

客は「あ、すみません・・・」と、その場を去るしかありません。

私から見たら、何もあえて客が見ている場所の品出しを今しなくてもいいのでは?と思ってしまうことがよくあります。

大きなトロリーを店内で動かしている店員も同様に堂々と、客に道を開けてもらい通行しています。

このような光景に違和感を覚えてしまうのは、やはり日本の文化と異なるからだと思います。

日本人のヨーロッパ困った「あるある」

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企業と客の関係性の文化が異なる日本とヨーロッパでも、日常生活において、トラブルや困ったことに遭遇するのはどちらも同じです。

ただ、その時それをどのように解決するかが、日本人とヨーロッパ人では大きく異なると感じます。

例えば、ヨーロッパでオンラインストアで頼んだ商品がなかなか手元に届かないとします。

日本人の私は、オンライン上には「通常5-7日でお届けします」と書いてあるため、8日経っても到着しなければ問い合わせをします。

発注の際に住所も正確に登録済みで支払いも済んでいるため、届かないのは少なくとも私の非ではないはずと考えます。

そして問い合わせの電話をしてみると、担当者は「確認してすぐに折り返します」というのですが、その折り返しが同日内に帰ってこないことが結構あります。

そして翌日にも折り返しがなく、仕方なく私はもう一度電話をして、同じ内容の問い合わせをその日の担当者に伝えるのです。

もちろん新しい担当者は、前日の担当者が折り返さなかったことについて謝罪などしません。

そして結局その商品が手元に届くのは、それから2-3週間後ということが結構あります。

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ヨーロッパ歴が浅いころの私は、このような経験をするとげんなりしてしまい、時に少々威圧的に「私が言っていることは間違っていますか?」などという発言や態度をとったこともありました。

しかし、このような言動は、私が欲しいサービスや対応を得るのには全くの逆効果になることに徐々に気づかされるのでした。

笑顔で人を頼る

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ヨーロッパにて最速で気持ちの良いサービスや対応を受ける最大の秘訣は笑顔です。

電話だと笑顔を見せるのは難しいのですが、その場合は話すトーンや話し方、そしてダイレクトに問い合わせをするよりも、何気ない会話を挟んでから本題に入るなど、こちらが焦っていても、少々怒っていてもその気持ちは一度抑えて、目の前の担当者に好印象を持たれるように振舞うのです。

ヨーロッパにいると、人間の人間らしさ(いや、動物らしさ?)をとても強く頻繁に実感します。

客や店員である前に、どちらも同じ人間なのだと思わされます。

そういう前提があると、店員側の言動にも動揺することが少なくなります。

人間誰でも、自分に対して威圧的だったり懐疑的な態度をとる相手の話など聞きたいとは思わないですよね。

客であっても、またそれが一見当たり前のサービスやサポートだったとしても、「ちょっと助けてほしいことがあるのだけど・・・」という風に頼りにする態度で臨むと、大抵親身に話を聞いてくれて、気分良くそれなりの対応をしてもらえることが多いのです。

効率の良さはここにある?ヨーロッパ人の仕事の流儀

Photo by Amy Hirschi on Unsplash

このようなごく当たり前のヨーロッパの日常の出来事を通して私が感じるのは、これはコミュニケーション能力の一つであり、ヨーロッパ人はこれに長けているのではないかと思うのです。

世の中の物事はほぼ100パーセント、人に関わって動いていますよね。

通り一遍に誰かや何かに自分を捧げたり、ただひたすらがむしゃらに頑張るのではなく、その時その時で目の前にいる相手をどう動かすかという戦略の立て方を幼いころから社会で鍛えられていて、最小限の時間とエネルギーでゴールに向かう術を身につけてきているのではないかと思うのです。

日本のように和を重んじて、決められたルールに従うことを求められて育つ社会とはやはり異なるのだと思います。

人間、ルールを厳守させられると、そのルールを守らない人に対して批判的な感情を強くいだくと思いませんか。

「私はこんなに我慢して(ルールに従って)いるのに、なぜあの人は、、、」

また、ルールを守ることに気を使い、自分の欲求を我慢しているのにもかかわらず報われない時には、イライラしたり、当然のように相手を責めたり自分の権利を主張せずにはいられなくなるような気持が湧いてくることがありますよね。

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ヨーロッパでは、基本的に人に求めず、自分も求められることがないのだと感じます。

また、企業側は客に過剰なサービスはまず行わないし、客から言われたことに対しても、いかに省エネ(=最低限)で対応するかという考え方が基本なのです。

そして、もちろん客側も企業からのオファーや過剰なサービスを期待していません。

私は、これがヨーロッパの労働現場の残業ゼロの精神だと思います。

世界比較で日本人の労働は非効率と言われることがよくありますが、ヨーロッパの文化から吸い取れるエッセンスがここにあるかもしれませんね。

ヨーロッパでの処世術

Photo by bruce mars on Unsplash

そうはいっても、買い物にしても、何かの問い合わせにしても、できれば自分にとってできるだけ便利にスムーズに物事が進んでほしいと思いますよね。

そんな時は、ぜひ笑顔で頼り上手になることをおすすめします!

相手に信頼と感謝の気持ちを伝え、どうにか対応してもらえるよう盛り上げるのです。

イライラせずに、期待せずに、「ありがとう」を忘れずに頼ることができれば、あなたのヨーロッパライフがより楽しく充実したものになるのではないかと思います ^^